現在運用中のNISAはどうなるの？新NISAへの移行を解説
yu-koakita_taxac２０２４年１月から始まる新NISA。以前から運用していた現行NISAはどうなるのでしょうか？移行にあたっての注意点などを解説します。
本は知識の投資
2023年以前にNISAを始めていれば、2024年からは自動的に新NISA口座が開設される
現行NISAをすでに運用されているかたは、特段手続きをすることなく同じ金融機関（ネット証券や銀行）で新NISA口座が開設されます。
現行のNISAには一般NISAとつみたてNISAがあります。
どちらを運用していても、またどちらも運用していても新NISA口座は開設されます。
ただ、これを機に別の金融機関で口座を開設したい場合は、別途手続きは必要です。
口座の変更手続きは以下の手順です。
①変更先の口座を開設
まずは変更先の金融機関口座を事前に開設します。
この時は口座開設のみで、NISA口座は開設してはダメです。
NISA口座は1人につき1口座と決まっています。
すでにほかの金融機関で口座を開設すると、税務署の審査でストップされてしまうので注意が必要です。
②廃止通知書を取得
現在NISA口座を開設している金融機関から「廃止通知書」をもらってください。
③変更先の金融機関でNISA申込書を請求
変更先の金融機関からNISA申し込み用の書類を入手します。
④必要書類を変更先の金融機関に提出
②の廃止通知書と③の申込書類に必要事項を記入し、本人確認書類と合わせて3点を変更先の金融機関に送付します。
これで、税務署の審査が完了すれば、変更先の金融機関でNISA口座の開設ができます。
税務署の審査が通ったかどうかは、金融機関から通知されます。
注意点！
・NISA口座の変更は年単位でしか変更できません。
2024年から新たな金融機関に開設する場合は、2023年9月末までに変更手続きを完了する必要があります。
・変更前ののNISA口座内にある商品を、変更後のNISA口座に移管することはできません。
これはかなりのデメリットですが、手数料が安い金融機関に変更したい場合など、強い思いがある場合は従前の商品は思い切って売却などの手続きをしてください。
現行NISA口座では2024年以降、新たな投資はできない
以前よりNISA口座を持っていて投資をされている方は、その現行のNISA口座では2024年以降、新たな買い付けはできません。
では、現在運用中のNISAは今後どのようにしたらいいのでしょうか。
現行のNISAには一般NISAとつみたてNISAがあります。NISAの種類別に解説していきます。
一般NISAは早めに売却した方がいい？
現行の一般NISAで買付した商品は、2024年以降も非課税期間終了までそのまま保有できます。
しかし、新NISA枠へのロールオーバーはできません。
非課税期間（買付年から5年間）が終了すると、課税口座へ移管されます。
課税口座へ移管された場合、その商品の取得価額は、非課税期間満了時の年末最終営業日時点の時価となります。
ようは、非課税期間終了年の年末終値です。
①非課税期間満了時に、買付価格よりも値下がりしていた場合
購入時に10万で購入していた商品が、非課税期間満了時に7万になっていたとします。
課税口座に移管される際、その商品の取得価額は7万円となります。
その後、10万になったタイミングで売却したら、10万－7万＝3万に税金が課されます。
10万で購入し、10万で売却したのだから実質の儲けは０なのに、売却益は3万になり課税されてしまうのです・・・
非課税期間で損失がでた場合は、残念ながらほかの利益と相殺することはできません。
しまうのです・・・
②非課税期間満了時に、買付価格よりも値上がりしていた場合
購入時に10万で購入していた商品が、非課税期間満了時に13万になっていたとします。
課税口座に移管される際、その商品の取得価額は13万円となります。
その後、15万になったタイミングで売却したら、15万－13万＝2万に税金が課されます。
これですと、現行の一般NISAの非課税期間を有効に使えていません。
非課税期間終了前の値上がりしているタイミングで売却すると、その利益については非課税となります。
もし、その商品が今後値上がりすると予想された場合、新NISA口座の「成長投資枠」で新たに買付を行うのが良いと思います。
「成長投資枠」は年間240万円まで投資が可能です。また生涯にわたり最大1,200万円まで投資することができます。
新NISAの非課税期間は無制限です。購入後はゆっくりと売却のタイミングを考えることが出来ます。
これらの事を踏まえると、現行の一般NISAは非課税期間満了するまでの期間中の値上がりのタイミングで売り抜けるのいいのかなと思います。
つみたてNISAは売却のタイミングをじっくり見極める
つみたてNISAは、一般NISAと比べ非課税期間が20年と長丁場です。
このため、一般NISAほど売却を急ぐ必要はありません。
ですが、非課税期間満了が迫ってくると、一般NISAと同じように売却のタイミングを見極める必要があります。
まとめ
現行の一般NISAは早めの判断、つみたてNISAはまだ時間に余裕があるというお話でした。
いずれも非課税期間を有効に使って、一番利益が出そうなタイミングで売却するのが良いかなと・・・
といってそれを見極めるのが一番大変なんですが・・・汗
Follow me!
