インボイスってそういうことだったのか
~ポイント利用の場合~
「ポイ活」なんて言葉が広く浸透するまでになった昨今、ポイント利用は皆さんにとって身近な支払方法の一つと思います。ちなみに7月1日は「ポイ活の日」なんだそうです。
今回はインボイスの登録事業者が、ポイントを使って経費を支払った場合の消費税の会計処理について解説していきたいと思います。
ポイントを使って経費を支払った時は、「値引き」か「値引きじゃない」かで処理が異なる
ネットやよく行くお店で、「お!ポイントが貯まってる。忘れないうちに使おう(ほくほく)」なんて場面も多いと思います。支払金額も減るし、ポイントもしっかり活用できてお得な気分になれますね。
先日もネットで買い物した時に、「初回利用ポイント」というのがあって思ったよりもお得に買い物ができました。
では、このポイントを利用した経費はどのように会計処理をしたらいいのでしょうか??
ポイントで買い物をした際にもらったレシートをじっくり見てみて下さい。「ポイント値引き」か「ポイント支払」かで会計処理が変わってきます。
「ポイント値引き」の場合
例:〇〇ストアでお茶(8%軽減)540円と、文房具(10%)550円を購入し、支払い時に21円分のポイントを使ったとします。その際にもらうレシートは次の二種類のいずれかの形式になります。
引用:国税庁HP
①が商品の対価からポイント分を「値引き」しているレシートで、②はポイント分で「支払い」をしているレシートとなります。
では、①の「ポイント値引き」しているレシートをもらった時、どのように会計処理をしていったらいいのでしょうか。
消耗品費(10%) 539円
「ポイント値引き」後の金額を、商品の対価として会計処理を行います。
「ポイント値引き」を商品自体の値引きと捉える考え方で、仕入れのマイナスであるという認識ですね。
「ポイント支払」の場合
先ほどの②の場合の会計処理は以下のようになります。
消耗品費(10%) 550円 / 雑収入(消費税不課税) 21円
②のレシートはポイント分を支払いに充当しているという考え方になります。ポイントを通貨として捉えていると思ってください。
因みにAmazonで買い物をした際に、ポイント利用時の領収書は次のようになりました。
この領収書は②の「ポイント支払」に該当し、35円を「雑収入」に計上します。
因みに割引の「-¥410」は2,000円以上買い物をしたことによる、送料の割引です。
「配送料・手数料: ¥410」と相殺されるので、会計処理はなしとなります。
もし、送料がかかった場合は、別途「荷造運賃 410円」を計上してください。
まとめ
今回はポイント利用時の仕訳と消費税の処理についてまとめてみました。
因みに、プライベートで貯めたポイントを事業用に使う際処理はどうなるのでしょうか??
あくまでもプライベートで得たものなので、値引きや雑収入はなしという考え方もありますが、明確な規定はありません。
逆に事業用で貯めたポイントをプライベートで利用するの場合は、そのポイント取得は事業による収入ですので、事業所得の雑収入か、雑所得で認識すべきかなと思われます。
いずれにしても、プライベートで貯めたポイントはプライベートで使う、事業用で貯めたポイントは事業用に使うと明確に区分した方が良いと思います。